第2節 生息地等保護区(第36条―第44条)/絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
(平成四年六月五日法律第75号)
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最終改正:平成一五年六月二〇日法律第99号
第2節 生息地等保護区
(生息地等保護区)
第36条
環境大臣は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、その個体の生息地又は生育地及びこれらと一体的にその保護を図る必要がある区域であって、その個体の分布状況及び生態その他その個体の生息又は生育の状況を勘案してその国内希少野生動植物種の保存のため重要と認めるものを、生息地等保護区として指定することができる。
2
前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針を定めてするものとする。
3
環境大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、中央環境審議会及び関係地方公共団体の意見を聴かなければならない。
4
環境大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、公告した日から起算して十四日を経過する日までの間、指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針の案(次項及び第6項において「指定案」という。)を公衆の縦覧に供しなければならない。
5
前項の規定による公告があったときは、指定をしようとする区域の住民及び利害関係人は、同項に規定する期間が経過する日までの間に、環境大臣に指定案についての意見書を提出することができる。
6
環境大臣は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。
7
環境大臣は、指定をするときは、その旨並びに指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針を官報で公示しなければならない。
8
指定は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
9
環境大臣は、生息地等保護区に係る国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。
10
第3項、第7項及び第8項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針」とあるのは「その旨及び解除に係る指定の区域」と、第8項中「前項の規定による公示」とあるのは「第10項において準用する前項の規定による公示」と読み替えるものとする。
11
生息地等保護区の区域内(次条第4項第8号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺一キロメートルの区域内)において同項各号に掲げる行為をする者は、第2項の指針に留意しつつ、国内希少野生動植物種の保存に支障を及ぼさない方法でその行為をしなければならない。
(管理地区)
第37条
環境大臣は、生息地等保護区の区域内で国内希少野生動植物種の保存のため特に必要があると認める区域を管理地区として指定することができる。
2
環境大臣は、管理地区に係る国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により前項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
3
前条第2項から第8項までの規定は第1項の規定による指定について、同条第3項、第7項及び第8項の規定は前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、同条第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針」とあるのは前項の規定による指定の解除については「その旨及び解除に係る指定の区域」と、同条第8項中「前項の規定による公示」とあるのは「次条第3項において準用する前項の規定による公示」と読み替えるものとする。
4
管理地区の区域内(第8号に掲げる行為については、同号に規定する湖沼又は湿原の周辺一キロメートルの区域内。第40条第1項及び第41条第1項において同じ。)においては、次に掲げる行為(第10号から第14号までに掲げる行為については、環境大臣が指定する区域内及びその区域ごとに指定する期間内においてするものに限る。)は、環境大臣の許可を受けなければ、してはならない。
一
建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
二
宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地(水底を含む。)の形質を変更すること。
三
鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。
四
水面を埋め立て、又は干拓すること。
五
河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
六
木竹を伐採すること。
七
国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に必要なものとして環境大臣が指定する野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。
八
管理地区の区域内の湖沼若しくは湿原であって環境大臣が指定するもの又はこれらに流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
九
道路、広場、田、畑、牧場及び宅地の区域以外の環境大臣が指定する区域内において、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
十
第7号の規定により環境大臣が指定した野生動植物の種の個体その他の物以外の野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。
十一
国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある動植物の種として環境大臣が指定するものの個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまくこと。
十二
国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるものとして環境大臣が指定する物質を散布すること。
十三
火入れ又はたき火をすること。
十四
国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある方法として環境大臣が定める方法によりその個体を観察すること。
5
前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に許可の申請をしなければならない。
6
環境大臣は、前項の申請に係る行為が第3項において準用する前条第2項の指針に適合しないものであるときは、第4項の許可をしないことができる。
7
環境大臣は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、第4項の許可に条件を付することができる。
8
第4項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなった時において既に同項各号に掲げる行為に着手している者は、その規制されることとなった日から起算して三月を経過する日までの間に環境大臣に環境省令で定める事項を届け出たときは、同項の規定にかかわらず、引き続きその行為をすることができる。
9
次に掲げる行為については、第4項の規定は、適用しない。
一
非常災害に対する必要な応急措置としての行為
二
通常の管理行為又は軽易な行為で環境省令で定めるもの
三
木竹の伐採で、環境大臣が農林水産大臣と協議して管理地区ごとに指定する方法及び限度内においてするもの
10
前項第1号に掲げる行為であって第4項各号に掲げる行為に該当するものをした者は、その日から起算して十四日を経過する日までの間に環境大臣にその旨を届け出なければならない。
(立入制限地区)
第38条
環境大臣は、管理地区の区域内で国内希少野生動植物種の個体の生息又は生育のため特にその保護を図る必要があると認める場所を、立入制限地区として指定することができる。
2
環境大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、その場所の土地の所有者又は占有者(正当な権原を有する者に限る。次項及び第42条第2項において同じ。)の同意を得るとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。
3
環境大臣は、土地の所有者又は占有者が正当な理由により第1項の規定による指定を解除するよう求めたとき、又はその指定の必要がなくなったと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
4
何人も、環境大臣が定める期間内は、立入制限地区の区域内に立ち入ってはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一
非常災害に対する必要な応急措置としての行為をするために立ち入る場合
二
通常の管理行為又は軽易な行為で環境省令で定めるものをするために立ち入る場合
三
前2号に掲げるもののほか、環境大臣がやむを得ない事由があると認めて許可をした場合
5
第36条第7項及び第8項の規定は第1項の規定による指定及び第3項の規定による指定の解除について、前条第5項及び第7項の規定は前項第3号の許可について準用する。この場合において、第36条第7項中「その旨並びに指定の区域、指定に係る国内希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針」とあるのは、第1項の規定による指定については「その旨及び指定の区域」と、第3項の規定による指定の解除については「その旨及び解除に係る指定の区域」と、同条第8項中「前項の規定による公示」とあるのは、「第38条第5項において準用する前項の規定による公示」と読み替えるものとする。
(監視地区)
第39条
生息地等保護区の区域で管理地区の区域に属さない部分(次条第1項及び第41条第1項において「監視地区」という。)の区域内において第37条第4項第1号から第5号までに掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、環境大臣に環境省令で定める事項を届け出なければならない。
2
環境大臣は、前項の規定による届出(以下この条において「届出」という。)があった場合において届出に係る行為が第36条第2項の指針に適合しないものであるときは、届出をした者に対し、届出に係る行為をすることを禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
3
前項の規定による命令は、届出があった日から起算して三十日(三十日を経過する日までの間に同項の規定による命令をすることができない合理的な理由があるときは、届出があった日から起算して六十日を超えない範囲内で環境大臣が定める期間)を経過した後又は第5項ただし書の規定による通知をした後は、することができない。
4
環境大臣は、前項の規定により期間を定めたときは、これに係る届出をした者に対し、遅滞なくその旨及びその理由を通知しなければならない。
5
届出をした者は、届出をした日から起算して三十日(第3項の規定により環境大臣が期間を定めたときは、その期間)を経過した後でなければ、届出に係る行為に着手してはならない。ただし、環境大臣が国内希少野生動植物種の保存に支障を及ぼすおそれがないと認めてその者に通知したときは、この限りでない。
6
次に掲げる行為については、第1項の規定は、適用しない。
一
非常災害に対する必要な応急措置としての行為
二
通常の管理行為又は軽易な行為で環境省令で定めるもの
三
第36条第1項の規定による指定がされた時において既に着手している行為
(措置命令等)
第40条
環境大臣は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、管理地区の区域内において第37条第4項各号に掲げる行為をしている者又は監視地区の区域内において同項第1号から第5号までに掲げる行為をしている者に対し、その行為の実施方法について指示をすることができる。
2
環境大臣は、第37条第4項若しくは第38条第4項の規定に違反した者、第37条第7項(第38条第5項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した者、前条第1項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をした者又は同条第2項の規定による命令に違反した者がその違反行為によって国内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護に支障を及ぼした場合において、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、これらの者に対し、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、その他国内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
3
環境大臣は、前項の規定による命令をした場合において、その命令をされた者がその命令に係る期限までにその命令に係る措置をとらないときは、自ら原状回復をし、その他国内希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護のため必要な措置をとるとともに、その費用の全部又は一部をその者に負担させることができる。
(報告徴収及び立入検査等)
第41条
環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、管理地区の区域内において第37条第4項各号に掲げる行為をした者又は監視地区の区域内において同項第1号から第5号までに掲げる行為をした者に対し、その行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2
環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、生息地等保護区の区域内において前項に規定する者が所有し、又は占有する土地に立ち入り、その者がした行為の実施状況について検査させ、若しくは関係者に質問させ、又はその行為が国内希少野生動植物種の保存に及ぼす影響について調査をさせることができる。
3
前項の規定による立入検査又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4
第1項及び第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(実地調査)
第42条
環境大臣は、第36条第1項、第37条第1項又は第38条第1項の規定による指定をするための実地調査に必要な限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせることができる。
2
環境大臣は、その職員に前項の規定による立入りをさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者又は占有者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
3
第1項の規定による立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4
土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、第1項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
(公害等調整委員会の裁定)
第43条
第37条第4項、第39条第2項又は第40条第2項の規定による処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
2
行政不服審査法第18条の規定は、前項の処分について、処分庁が誤って審査請求又は異議申立てをすることができる旨を教示した場合に準用する。
(損失の補償)
第44条
国は、第37条第4項の許可を受けることができないため、同条第7項の規定により条件を付されたため又は第39条第2項の規定による命令をされたため損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失の補償をする。
2
前項の補償を受けようとする者は、環境大臣にその請求をしなければならない。
3
環境大臣は、前項の請求を受けたときは、補償をすべき金額を決定し、その請求をした者に通知しなければならない。
4
前項の規定による金額の決定に不服がある者は、同項の規定による通知を受けた日から起算して三月を経過する日までの間に、訴えをもってその増額の請求をすることができる。
5
前項の訴えにおいては、国を被告とする。
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