第6章 海洋の汚染及び海上災害の防止措置(第38条―第42条の12)/海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律


(昭和四十五年十二月二十五日法律第136号)

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最終改正:平成一五年七月一六日法律第119号

(最終改正までの未施行法令)
平成十四年十二月十三日法律第152号(未施行)
平成十五年七月十六日法律第119号(未施行)
 

   第6章 海洋の汚染及び海上災害の防止措置

(油等の排出の通報等)
第38条  船舶から次に掲げる油その他の物質(以下この条において「油等」という。)の排出があつた場合には、当該船舶の船長は、国土交通省令で定めるところにより、当該排出があつた日時及び場所、排出の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。ただし、当該排出された油等が国土交通省令で定める範囲を超えてひろがるおそれがないと認められるときは、この限りでない。
 蒸発しにくい油で国土交通省令で定めるもの(以下「特定油」という。)の排出であつて、その濃度及び量が国土交通省令で定める基準以上であるもの(以下「大量の特定油の排出」という。)
 油の排出(大量の特定油の排出を除く。)であつて、その濃度及び量が国土交通省令で定める基準以上であるもの
 有害液体物質等の排出であつて、その量が有害液体物質等の種類に応じ国土交通省令で定める量以上であるもの
 ばら積み以外の方法で貨物として輸送される物質のうち海洋環境に特に悪影響を及ぼすものとして国土交通省令で定めるものの排出であつて、その量が当該物質の種類に応じ国土交通省令で定める量以上であるもの
 船舶の衝突、乗揚げ、機関の故障その他の海難が発生した場合において、船舶から前項各号に掲げる油等の排出のおそれがあるときは、当該船舶の船長は、国土交通省令で定めるところにより、当該海難があつた日時及び場所、海難の状況、油等の排出が生じた場合に海洋の汚染の防止のために講じようとする措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。ただし、油等の排出が生じた場合に当該排出された油等が同項ただし書の国土交通省令で定める範囲を超えてひろがるおそれがないと予想されるときは、この限りでない。
 海洋施設その他の施設(陸地にあるものを含む。以下「海洋施設等」という。)から第1項第1号又は第2号に掲げる油の排出(以下この条において「大量の油の排出」という。)があつた場合には、当該海洋施設等の管理者は、国土交通省令で定めるところにより、当該排出があつた日時及び場所、排出の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。ただし、当該排出された油が第1項ただし書の国土交通省令で定める範囲を超えて広がるおそれがないと認められるときは、この限りでない。
 海洋施設等の損傷その他の海洋施設等に係る異常な現象が発生した場合において、当該海洋施設等から大量の油の排出のおそれがあるときは、当該海洋施設等の管理者は、国土交通省令で定めるところにより、当該異常な現象が発生した日時及び場所、異常な現象の状況、油の排出が生じた場合に海洋の汚染の防止のために講じようとする措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。ただし、油の排出が生じた場合に当該排出された油が第1項ただし書の国土交通省令で定める範囲を超えて広がるおそれがないと予想されるとき、又は石油コンビナート等災害防止法(昭和五十年法律第84号)第23条第1項の規定による通報をしたときは、この限りでない。
 大量の油の排出があつた場合には、第1項の船舶内にある者及び第3項の海洋施設等の従業者である者以外の者で当該大量の油の排出の原因となる行為をしたもの(その者が船舶内にある者であるときは、当該船舶の船長)は、第1項又は第3項の規定に準じて通報を行わなければならない。ただし、第1項の船舶の船長又は第3項の海洋施設等の管理者が通報を行つたことが明らかなときは、この限りでない。
 第1項若しくは第2項の船舶の船舶所有者その他当該船舶の運航に関し権原を有する者又は第3項若しくは第4項の海洋施設等の設置者は、海上保安機関から、第1項から第4項までに規定する油等の排出又は海難若しくは異常な現象による海洋の汚染を防止するために必要な情報の提供を求められたときは、できる限り、これに応じなければならない。
 油が第1項ただし書の国土交通省令で定める範囲を超えて海面に広がつていることを発見した者は、遅滞なく、その旨を最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。

(大量の特定油が排出された場合の防除措置等)
第39条  大量の特定油の排出があつたときは、次に掲げる者は、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、排出された特定油の広がり及び引き続く特定油の排出の防止並びに排出された特定油の除去(以下「排出特定油の防除」という。)のための応急措置を講じなければならない。
 当該排出された特定油が積載されていた船舶の船長又は当該排出された特定油が管理されていた施設の管理者
 前号の船舶内にある者及び同号の施設の従業者である者以外の者で当該特定油の排出の原因となる行為をしたもの(その者が船舶内にある者であるときは、当該船舶の船長)
 大量の特定油の排出があつたときは、次に掲げる者は、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、排出特定油の防除のため必要な措置を講じなければならない。ただし、前項に定める者が同項の規定による措置を講じた場合において、これらの者が講ずる措置のみによつて確実に排出特定油の防除ができると認められるときは、この限りでない。
 前項第1号の船舶の船舶所有者
 前項第1号の施設の設置者
 前2号に掲げる者のほか、その業務に関し当該特定油の排出の原因となる行為をした者の使用者(当該行為をした者が船舶の乗組員であるときは、当該船舶の船舶所有者)
 前項の場合において、同項各号に掲げる者が同項の規定により講ずべき措置を講じていないと認められるときは、海上保安庁長官は、これらの者に対し、同項の規定により講ずべき措置を講ずべきことを命ずることができる。
 大量の特定油の排出があつた場合において、当該特定油の排出が港内又は港の付近にある船舶から行われたものであるときは、次に掲げる者は、第1項及び第2項に定める者に対しこれらの規定により講ずべき措置の実施について援助し、又はこれらの者と協力して排出特定油の防除のため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 当該港が当該排出された特定油の船積港であるときは、当該特定油の荷送人
 当該港が当該排出された特定油の陸揚港であるときは、当該特定油の荷受人
 当該特定油の排出が船舶の係留中に行われたときは、当該係留施設の管理者

第39条の2  海上保安庁長官は、大量の特定油の排出があつた場合において、緊急に排出特定油の防除のための措置を講ずる必要があると認められるときは、当該措置を講ずる現場の海域にある船舶の船長に対しその船舶をその海域から退去させることを命じ、若しくはその海域に進入してくる船舶の船長に対しその進入を中止させることを命じ、又はその海域を航行する船舶の航行を制限することができる。

(排出特定油の防除のための資材)
第39条の3  次に掲げる者は、当該船舶若しくは施設又は当該係留施設を利用する船舶から特定油が排出された場合において、当該排出特定油の防除のための措置を講ずることができるよう、国土交通省令で定めるところにより、当該船舶若しくは施設内又は国土交通省令で定める場所にオイルフェンス、薬剤その他の資材を備え付けておかなければならない。ただし、第1号に掲げる船舶にあつては、港湾その他の国土交通省令で定める海域を航行中である場合に限る。
 国土交通省令で定める船舶の船舶所有者
 船舶から陸揚げし、又は船舶に積載する特定油で国土交通省令で定める量以上の量のものを保管することができる施設の設置者
 第1号に掲げる船舶を係留することができる係留施設(専ら同号に掲げる船舶以外の船舶を係留させる係留施設を除く。)の管理者

(油回収船等の配備)
第39条の4  総トン数が国土交通省令で定める総トン数以上のタンカー(その貨物艙の一部分がばら積みの液体貨物の輸送のための構造を有するタンカーにあつては、当該貨物艙の一部分の容量が国土交通省令で定める容量以上であるものに限る。以下「特定タンカー」という。)の船舶所有者は、特定タンカーが常時航行する海域で地形、潮流その他の自然的条件からみて特定油の排出があつたならば海洋が著しく汚染されるおそれがある海域として国土交通省令で定めるものを、特定タンカーに貨物としてばら積みの特定油を積載して航行させるときは、油回収船又は特定油を回収するための機械器具で国土交通省令で定めるものを配備しなければならない。
 前項の油回収船及び特定油を回収するための機械器具の配備の場所その他配備に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(油、有害液体物質、廃棄物等が排出された場合の防除措置)
第40条  海上保安庁長官は、排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物(特定油を除く。以下この条及び第41条の2第2号において同じ。)により海洋が汚染され、当該汚染が海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあり、緊急に当該汚染を防止する必要があると認められる場合においては、当該汚染の原因となつた油、有害液体物質、廃棄物その他の物を排出したと認められる者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該油、有害液体物質、廃棄物その他の物の除去その他当該汚染の防止のため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(油保管施設等の油濁防止緊急措置手引書)
第40条の2  次の各号に掲げる者は、国土交通省令で定める技術上の基準に従い、当該各号の施設又は当該係留施設を利用する船舶から油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合において当該施設内にある者その他の者が直ちにとるべき措置に関する事項について、油濁防止緊急措置手引書を作成し、これを当該施設内(当該施設内に備え置き、又は掲示することが困難である場合にあつては、当該施設の管理者の事務所内)に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
 船舶から陸揚げし、又は船舶に積載する油で国土交通省令で定める量以上の量のものを保管することができる施設の設置者
 国土交通省令で定める船舶を係留することができる係留施設(専ら当該国土交通省令で定める船舶以外の船舶を係留させる係留施設を除く。)の管理者
 海上保安庁長官は、前項各号に掲げる者が、同項の技術上の基準に従つて同項の油濁防止緊急措置手引書の作成又は備置き若しくは掲示をしていないと認めるときは、その者に対し、同項の技術上の基準に従つて同項の油濁防止緊急措置手引書を作成し、又は備え置き、若しくは掲示すべきことを命ずることができる。
 第1項各号の施設の管理者は、同項の油濁防止緊急措置手引書に定められた事項を、当該施設の従業者及び当該従業者である者以外の者で当該施設に係る業務を行う者のうち油の取扱いに関する作業を行うものに周知させなければならない。

(海上保安庁長官の措置に要した費用の負担)
第41条  海上保安庁長官は、第39条第1項から第3項まで及び第40条の規定により措置を講ずべき者がその措置を講ぜず、又はこれらの者が講ずる措置のみによつては海洋の汚染を防止することが困難であると認められる場合において、排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物の除去その他の海洋の汚染を防止するため必要な措置を講じたときは、当該措置に要した費用で国土交通省令で定める範囲のものについて、国土交通省令で定めるところにより、当該排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物が積載されていた船舶の船舶所有者又はこれらの物が管理されていた海洋施設等の設置者に負担させることができる。ただし、異常な天災地変その他の国土交通省令で定める事由により当該油、有害液体物質、廃棄物その他の物が排出されたときは、この限りでない。
 前項の規定により負担させる費用の徴収については、行政代執行法(昭和二十三年法律第43号)第5条及び第6条の規定を準用する。
 第1項の規定による費用の負担の履行については、海上保安庁長官が適当と認めるときは、金銭の納付に代え当該措置のために消費した薬剤その他の資材に相当する資材の納付によることができる。
 第1項の場合において、当該油、有害液体物質、廃棄物その他の物の排出につき責めに任ずべき者があるときは、同項の船舶所有者又は海洋施設等の設置者は、その者に対し、同項の規定により負担した費用について求償権を有する。
 第1項に規定する場合において、その海洋の汚染が油濁損害賠償保障法(昭和五十年法律第95号)第2条第6号イに規定する汚染に該当するときは、その講じられた措置に要した費用については、前各項の規定は、適用しない。ただし、その講じられた措置に要した費用の負担の履行であつて同法第3条第1項又は第2項の規定に基づく油濁損害の賠償の義務の履行であるものについては、第3項の規定の例による。

(関係行政機関の長等に対する防除措置の要請)
第41条の2  海上保安庁長官は、次に掲げる場合において、特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体(港務局を含む。)の長その他の執行機関(以下「関係行政機関の長等」という。)に対し、政令で定めるところにより、排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物の除去その他の海洋の汚染を防止するため必要な措置を講ずることを要請することができる。
 第39条第1項から第3項まで及び第40条の規定により措置を講ずべき者がその措置を講ぜず、又はこれらの者が講ずる措置のみによつては海洋の汚染を防止することが困難であると認められるとき。
 本邦の領海の外側の海域にある政令で定める外国船舶(以下この号及び第42条の26第2項において「特定外国船舶」という。)から大量の特定油の排出があつた場合又は特定外国船舶からの排出に係る第40条に規定する場合であつて、当該特定外国船舶の船舶所有者及び第39条第2項第3号に掲げる者若しくは当該特定外国船舶から油、有害液体物質、廃棄物その他の物を排出したと認められる者が海洋の汚染を防止するための必要な措置を講ぜず、又はこれらの者が講ずる措置のみによつては海洋の汚染を防止することが困難であると認められるとき。

(関係行政機関の長等の措置に要した費用の負担)
第41条の3  関係行政機関の長等は、前条第1号に掲げる場合において、同条の規定により海上保安庁長官が要請した措置を講じたときは、当該措置に要した費用で政令で定める範囲のものについて、当該措置に係る排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物が積載されていた船舶の船舶所有者又はこれらの物が管理されていた海洋施設等の設置者に負担させることができる。ただし、第41条第1項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
 関係行政機関の長等は、前項の規定による負担金を徴収しようとするときは、当該負担金の納付義務者に対し、負担金の額、納付期限及び納付方法その他必要な事項を通知しなければならない。
 関係行政機関の長等は、前項の通知を受けた納付義務者が納付期限までに同項の負担金を納付しないときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。
 関係行政機関の長等は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。
 関係行政機関の長等は、第3項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに負担金及び第7項の規定による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。
 関係行政機関の長等は、第3項の規定により督促をしたときは、負担金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその負担金の完納の日又は財産の差押えの日の前日までの日数により計算した額の延滞金を徴収することができる。ただし、やむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。
 第41条第3項から第5項までの規定は、第1項の場合について準用する。この場合において、同条第3項から第5項までの規定中「第1項」とあるのは「第41条の3第1項」と、同条第5項中「前各項」とあるのは「第41条の3第1項から第7項まで並びに同条第8項において準用する前2項」と読み替えるものとする。

(特定油による著しい汚染の防除のための財産の処分)
第42条  海上保安庁長官は、本邦の沿岸海域において排出された著しく大量の特定油により海洋が著しく汚染され、当該汚染が広範囲の沿岸海域において、海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、人の健康を害し、財産に重大な損害を与え、若しくは事業活動を困難にし、又はこれらの障害が生ずるおそれがある場合において、緊急にこれらの障害を防止するため排出特定油の防除の措置を講ずる必要があると認めるときは、当該排出特定油の防除の措置を講ずるためやむを得ない限度において、当該排出された特定油が積載されていた船舶を破壊し、当該排出された特定油を焼却するほか、当該排出された特定油のある現場付近の海域にある財産の処分をすることができる。

(危険物が排出された場合の措置)
第42条の2  危険物の排出(海域の大気中に流すことを含む。以下この条、第42条の5第1項、第42条の8及び第42条の9第1項において同じ。)があつた場合において、当該排出された危険物の海上火災が発生するおそれがあるときは、次に掲げる者は、国土交通省令で定めるところにより、危険物の排出があつた日時及び場所、排出された危険物の量及び広がりの状況並びに排出された危険物が積載されていた船舶又は管理されていた海洋危険物管理施設(海域に設けられる工作物で危険物を管理するものをいう。以下同じ。)その他の施設(陸地にあるものを含む。)に関する事項を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。ただし、第38条第1項から第5項まで又は石油コンビナート等災害防止法第23条第1項の規定による通報をした場合は、この限りでない。
 当該排出された危険物が積載されていた船舶の船長又は当該排出された危険物が管理されていた施設の管理者
 前号の船舶内にある者及び同号の施設の従業者である者以外の者で当該危険物の排出の原因となる行為をしたもの(その者が船舶内にある者であるときは、当該船舶の船長)
 前項に規定する事態を発見した者は、遅滞なく、その旨を最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
 第1項に規定する場合において、同項各号に掲げる者は、直ちに、引き続く危険物の排出の防止及び排出された危険物の火災の発生の防止のための応急措置を講ずるとともに、危険物の排出があつた現場付近にある者又は船舶に対し注意を喚起するための措置を講じなければならない。

(海上火災が発生した場合の措置)
第42条の3  貨物としてばら積みの危険物を積載している船舶、海洋危険物管理施設又は危険物の海上火災が発生したときは、次に掲げる者は、国土交通省令で定めるところにより、海上火災が発生した日時及び場所、海上火災の状況並びに海上火災が発生した船舶若しくは海洋危険物管理施設又は海上火災が発生した危険物が積載されていた船舶若しくは管理されていた海洋危険物管理施設その他の施設(陸地にあるものを含む。)に関する事項を直ちに最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。ただし、第38条第1項から第5項まで、前条第1項又は石油コンビナート等災害防止法第23条第1項の規定による通報をした場合は、この限りでない。
 当該海上火災が発生した船舶の船長又は当該海上火災が発生した海洋危険物管理施設の管理者
 当該海上火災が発生した危険物が積載されていた船舶の船長又は当該海上火災が発生した危険物が管理されていた施設の管理者
 前2号の船舶内にある者及び前2号の施設の従業者である者以外の者で当該海上火災の原因となる行為をしたもの(その者が船舶内にある者であるときは、当該船舶の船長)
 前項に規定する場合において、同項各号に掲げる者は、直ちに、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のための応急措置を講ずるとともに、海上火災の現場付近にある者又は船舶に対し注意を喚起するための措置を講じなければならない。

第42条の4  海上火災を発見した者は、遅滞なく、その旨を最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。

(緊急の場合における行為の制限)
第42条の5  海上保安庁長官は、危険物の排出があつた場合において、当該排出された危険物による海上火災が発生するおそれが著しく大であり、かつ、海上火災が発生したならば著しい海上災害が発生するおそれがあるときは、海上火災が発生するおそれのある海域にある者に対し火気の使用を制限し、若しくは禁止し、又はその海域にある船舶の船長に対しその船舶をその海域から退去させることを命じ、若しくはその海域に進入してくる船舶の船長に対しその進入を中止させることを命ずることができる。
 海上保安庁長官は、海上火災が発生した場合は、当該海上火災の現場の海域にある船舶の船長に対しその船舶をその海域から退去させることを命じ、又はその海域に進入してくる船舶の船長に対しその進入を中止させることを命ずることができる。
 前2項に規定する場合において、海上保安庁長官は、当該海域にある者に対しその海域からの退去を命じ、又は当該海域への人の出入を禁止し、若しくは制限することができる。

(海上火災が発生した船舶の処分等)
第42条の6  海上保安庁長官は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のため必要がある場合は、海上火災が発生し、又はまさに発生しようとしている船舶、海洋危険物管理施設その他の財産を、延焼の防止のためやむを得ないと認められる場合は、海域にある延焼のおそれのある船舶、海洋危険物管理施設その他の財産を使用し、移動し、若しくは処分し、又はその使用を制限することができる。

(船舶交通の危険の防止)
第42条の7  海上保安庁長官は、船舶の海上火災による船舶交通の障害の発生により、当該障害の発生した海域の周辺の海域において船舶交通の危険が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合は、当該船舶の船舶所有者に対し、その船舶の海上火災による海上災害及び船舶交通の障害が新たに発生するおそれのない海域にその船舶を曳航すべきことを命ずることができる。

第42条の8  海上保安庁長官は、特定油若しくは危険物の排出又は海上火災による船舶交通の障害の発生により、当該障害の発生した海域の周辺の海域において船舶交通の危険が生じ、又は生ずるおそれがある場合であつて、緊急に船舶交通の危険を防止する必要があると認められるときは、当該周辺の海域を航行する船舶の航行を制限し、又は禁止することができる。

(消防機関等との関係)
第42条の9  消防機関(消防組織法(昭和二十二年法律第226号)第9条各号に掲げる機関をいう。以下同じ。)の長は、次の各号に掲げる場合は、第42条の5又は第42条の6の権限を行うことができる。
 第42条の5又は第42条の6に規定する場合において、当該危険物の排出又は海上火災がふ頭に係留された船舶又は陸地にある施設(海域にある施設で固定施設により当該施設と陸地との間を人が往来できるものを含む。)に係るものであるとき(消防機関の長又はその委任を受けてその権限を行う消防吏員若しくは消防団員が現場にいないとき、及び消防機関の長が海上保安庁長官又は管区海上保安本部長等(第53条第1項の規定により海上保安庁長官の権限に属する事項を行うことができる管区海上保安本部長及び同条第2項の規定により管区海上保安本部長の権限に属する事項を行うことができる管区海上保安本部の事務所の長をいう。以下同じ。)に対しその権限を行うことを要請したときを除く。)。
 第42条の5又は第42条の6に規定する場合において、当該危険物の排出又は海上火災が前号の船舶及び施設以外の船舶又は施設に係るものである場合にあつては、海上保安庁長官若しくは管区海上保安本部長等若しくはその委任を受けてその権限を行う海上保安官が現場にいないとき、又は海上保安庁長官若しくは管区海上保安本部長等からその権限を行うことを要請されたとき。
 前項各号に掲げる場合においては、海上保安庁長官は、第42条の5又は第42条の6の規定にかかわらず、その権限を行うことができない。

第42条の10  海上保安庁長官又は管区海上保安本部長等及び消防機関の長は、第42条の2第1項に規定する事態若しくは海上火災が発生したことを知つたとき、又は第42条の5若しくは第42条の6の権限を行つたときは、相互に密接な連絡をとるとともに、海上火災の発生及び拡大の防止のための措置の実施について協力しなければならない。

第42条の11  第42条の5に規定する場合において、海上保安庁長官若しくは管区海上保安本部長等若しくはその委任を受けてその権限を行う海上保安官及び消防機関の長若しくはその委任を受けてその権限を行う消防吏員若しくは消防団員が現場にいないとき、又は海上保安庁長官若しくは管区海上保安本部長等若しくは消防機関の長の要請があつたときは、警察署長は、これらの者に代わつて同条の権限を行うことができる。この場合において、警察署長は、当該権限を行つたときは、直ちにその旨を海上保安庁長官若しくは管区海上保安本部長等又は消防機関の長に通知しなければならない。

(他の法律の適用除外)
第42条の12  消防法(昭和二十三年法律第186号)第23条の2、第28条並びに第29条第1項及び第2項の規定は、第42条の5又は第42条の6に規定する場合には、適用しない。
 行政手続法第3章の規定は、第39条の2、第42条の5、第42条の6又は第42条の8の規定による命令又は処分については、適用しない。

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