第2章 油濁損害賠償責任及び責任の制限(第3条―第12条)/油濁損害賠償保障法


(昭和五十年十二月二十七日法律第95号)

環境保全に戻る
法令ユビキタスに戻る


最終改正:平成一五年六月四日法律第64号


   第2章 油濁損害賠償責任及び責任の制限

(油濁損害賠償責任)
第3条  油濁損害が生じたときは、当該油濁損害に係る油が積載されていた船舶の船舶所有者は、その損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該油濁損害が次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
 戦争、内乱又は暴動により生じたこと。
 異常な天災地変により生じたこと。
 専ら当該船舶所有者及びその使用する者以外の者の悪意により生じたこと。
 専ら国又は公共団体の航路標識又は交通整理のための信号施設の管理の瑕疵により生じたこと。
 二以上の船舶に積載されていた油により油濁損害が生じた場合において、当該油濁損害がいずれの船舶に積載されていた油によるものであるかを分別することができないときは、各船舶所有者は、連帯してその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該油濁損害が前項各号の一に該当するときは、この限りでない。
 前2項に規定する船舶所有者は、油濁損害の原因となつた最初の事実が生じた時における船舶所有者とする。
 第1項本文又は第2項本文の場合において、次に掲げる者は、その損害を賠償する責めに任じない。ただし、当該油濁損害が、これらの者の故意により、又は損害の発生のおそれがあることを認識しながらしたこれらの者の無謀な行為により生じたものであるときは、この限りでない。
 当該船舶の船舶所有者の使用する者
 当該船舶の船舶賃借人及びその使用する者
 当該船舶の責任条約第3条第4項(c)に規定する傭船者(船舶賃借人を除く。)、管理人又は運航者及びこれらの者の使用する者
 船舶の修繕その他の当該船舶に係る役務の提供を請け負う者及びその使用する者
 当該船舶の船舶所有者の同意を得て、又は行政庁の指示に従い、海上における人命、積荷又は船舶の救助に直接関連する役務を提供する者及びその使用する者
 第2条第6号ロに規定する措置を執る者(当該船舶の船舶所有者を除く。)及びその使用する者
 前項の規定は、損害を賠償した船舶所有者の第三者に対する求償権の行使を妨げない。

(賠償についてのしんしやく)
第4条  被害者の故意又は過失により油濁損害が生じたときは、裁判所は、損害賠償の責任及び額を定めるについて、これをしんしやくすることができる。

(船舶所有者の責任の制限)
第5条  第3条第1項又は第2項の規定により油濁損害の賠償の責めに任ずる船舶所有者(法人である船舶所有者の無限責任社員を含む。以下同じ。)は、当該油濁損害に基づく債権について、この法律で定めるところにより、その責任を制限することができる。ただし、当該油濁損害が自己の故意により、又は損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為により生じたものであるときは、この限りでない。

(責任限度額)
第6条  船舶所有者がその責任を制限することができる場合における責任の限度額(以下「責任限度額」という。)は、船舶のトン数に応じて、次に定めるところにより算出した金額とする。
 五千トン以下の船舶にあつては、一単位の四百五十一万倍の金額
 五千トンを超える船舶にあつては、前号の金額に五千トンを超える部分について一トンにつき一単位の六百三十一倍を乗じて得た金額を加えた金額(その金額が一単位の八千九百七十七万倍の金額を超えるときは、一単位の八千九百七十七万倍の金額)

(船舶のトン数の算定)
第7条  前条の船舶のトン数は、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第40号)第4条第2項の規定の例により算定した数値にトンを付して表したものとする。

(責任の制限の及ぶ範囲)
第8条  船舶所有者の責任の制限は、当該船舶ごとに、同一の事故から生じた当該船舶に係る船舶所有者及び保険者等に対するすべての制限債権に及ぶ。

(制限債権者が受ける弁済の割合)
第9条  船舶所有者がその責任を制限した場合には、制限債権者は、その制限債権の額の割合に応じて弁済を受ける。

(権利の消滅)
第10条  第3条第1項又は第2項の規定に基づく船舶所有者に対する損害賠償請求権は、油濁損害が生じた日から三年以内に裁判上の請求がされないときは、消滅する。当該油濁損害の原因となつた最初の事実が生じた日から六年以内に裁判上の請求がされないときも、同様とする。

(船舶所有者に対する油濁損害賠償請求事件の管轄)
第11条  第3条第1項又は第2項の規定に基づく船舶所有者に対する訴えは、他の法律により管轄裁判所が定められていないときは、最高裁判所が定める地の裁判所の管轄に属する。

(外国判決の効力)
第12条  責任条約第9条第1項の規定により管轄権を有する外国裁判所が油濁損害の賠償の請求の訴えについてした確定判決は、次に掲げる場合を除き、その効力を有する。
 当該判決が詐欺によつて取得された場合
 被告が訴訟の開始に必要な呼出し又は命令の送達を受けず、かつ、自己の主張を陳述するための公平な機会が与えられなかつた場合
 前項に規定する確定判決についての執行判決に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第4号)第24条第3項中「民事訴訟法第118条各号に掲げる要件を具備しないとき」とあるのは、「油濁損害賠償保障法第12条第1項各号の一に該当するとき」とする。

油濁損害賠償保障法に戻る
環境保全に戻る
法令ユビキタスに戻る

第2章 油濁損害賠償責任及び責任の制限(第3条―第12条)/油濁損害賠償保障法