第5章 責任制限手続(第31条―第39条)/油濁損害賠償保障法


(昭和五十年十二月二十七日法律第95号)

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最終改正:平成一五年六月四日法律第64号


   第5章 責任制限手続

(責任制限事件の管轄)
第31条  責任制限事件は、本邦内において油濁損害が生じたときは、当該油濁損害の生じた地を管轄する地方裁判所の管轄に、排他的経済水域内において油濁損害が生じたときは、知れている制限債権者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所又はこの裁判所がないときは最高裁判所が定める地方裁判所の管轄に、本邦内又は排他的経済水域内における損害を防止するための第2条第6号ロに規定する措置が本邦及び排他的経済水域の外において執られ、かつ、本邦内及び排他的経済水域内において損害が生じなかつたときは、当該措置を執つた者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所又はこの裁判所がないときは、最高裁判所が定める地方裁判所の管轄に専属する。

(責任制限事件の移送)
第32条  裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、責任制限事件を他の管轄裁判所、制限債権者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所又は同一の事故から生じた船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第94号。以下「責任制限法」という。)の規定による責任制限事件の係属する裁判所に移送することができる。

(国際基金の参加)
第33条  国際基金は、最高裁判所規則で定めるところにより、責任制限手続に参加することができる。

(国際基金への責任制限手続係属の通告等)
第34条  責任制限手続が係属するときは、責任制限手続の申立てをした者、受益債務者又は責任制限手続に参加した者は、国際基金に対してその旨を通告することができる。
 前項の規定による通告は、第38条において準用する責任制限法第28条第1項各号に掲げる事項を記載した書面を裁判所に提出してしなければならない。
 裁判所は、前項の書面を国際基金に対して送達しなければならない。

第35条  裁判所は、国際基金が責任制限手続に参加し、又は国際基金に対して前条第3項の規定による送達がされた場合において、第38条において準用する責任制限法第28条第1項各号に掲げる事項に変更が生じたときはその変更に係る事項を記載した書面を、第38条において準用する責任制限法第31条第1項、第85条第1項又は第87条第1項の規定による公告がされたときはその公告に係る事項を記載した書面を、国際基金に対して送達しなければならない。この場合においては、責任制限法第15条の規定を準用する。

(自発的に損害防止措置を執つた場合における船舶所有者の責任制限手続への参加)
第36条  船舶所有者は、自発的に第2条第6号ロに規定する措置を執つたときは、船舶所有者の損害防止措置費用等について制限債権を有するものとみなし、これをもつて責任制限手続に参加することができる。
 責任制限法第47条第5項、第50条(責任制限法第51条第2項において準用する場合を含む。)及び第53条の規定は、前項の場合について準用する。

(訴訟手続の中止)
第37条  次条において準用する責任制限法第47条第5項の規定により制限債権の届出がされた場合において、当該債権に関する債権者及び申立人又は受益債務者間の訴訟が係属するときは、裁判所は、国際基金が当該訴訟に参加し又は当該訴訟に関し第25条第1項の通告を受けている場合にあつては原告の申立てにより又は職権で、その他の場合にあつては原告の申立てにより、その訴訟手続の中止を命ずることができる。
 前項に規定する届出又は前条第2項において準用する責任制限法第47条第5項の規定による届出がされた場合において、当該債権に関し、国際基金条約第4条第1項に規定する補償を求めるための国際基金に対する訴えが係属するときは、裁判所は、職権で、その訴訟手続の中止を命ずることができる。
 第1項の場合において原告の申立てにより訴訟手続の中止が命ぜられたときは、裁判所は、原告の申立てにより、当該訴訟手続の中止の決定を取り消すことができる。

(責任制限法の準用)
第38条  この法律の規定による責任制限手続については、責任制限法第3章(第9条、第10条、第16条、第4節、第54条及び第64条を除く。)の規定を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる責任制限法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第13条、第14条第1項、第15条、第33条及び第40条第1項 この法律 油濁損害賠償保障法第38条において準用するこの法律
第17条第1項 船舶所有者等若しくは救助者又は被用者等 船舶所有者(法人である船舶所有者の無限責任社員を含む。)又は保険者等
第18条 制限債権(事故発生後の利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権を除く。第25条第2号において同じ。)の額が第7条第1項、第3項又は第5項 制限債権の額が油濁損害賠償保障法第6条
第19条第1項 金銭及びこれに対する事故発生の日から供託の日(次条第1項の規定により供託委託契約を締結する場合にあつては、同項の規定による届出の日。次項において同じ。)まで年六パーセントの割合により算定した金銭 金銭
第19条第2項 供託の日 供託の日(次条第1項の規定により供託委託契約を締結する場合にあつては、同項の規定による届出の日)
第28条第1項第4号 船舶、救助船舶又は救助者 船舶
第30条第1項 責任限度額又は事故発生の日 責任限度額
金銭及びこれに対する事故発生の日から供託の日(次項において準用する第20条第1項の規定により供託委託契約を締結する場合にあつては、同項の規定による届出の日)まで年六パーセントの割合により算定した金銭又は増加すべき第19条第1項に規定する年六パーセントの割合により算定した金銭 金銭
第30条第2項 第19条第2項中「供託の日 油濁損害賠償保障法第38条において読み替えて準用する第19条第2項中「供託の日(
の供託の日 の規定による決定に基づき供託する日(第30条第2項において準用する
第47条第1項 制限債権(利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権については、制限債権の調査期日の開始の日までに生じたものに限る。以下この章において同じ。) 制限債権
第48条第2項 油濁損害賠償保障法 この法律
同法 油濁損害賠償保障法
第57条 並びに制限債権であるときは、その内容及び人の損害に関する債権と物の損害に関する債権との別 及び制限債権であるときは、その内容
第60条 内容並びに人の損害に関する債権と物の損害に関する債権との別 内容
第61条第2項 内容及び人の損害に関する債権と物の損害に関する債権との別 内容
第66条第1項 手続外訴訟 債権者及び申立人又は受益債務者間の訴訟(以下「手続外訴訟」という。)
第70条第2項 事項を人の損害に関する債権と物の損害に関する債権との別に従つて 事項を

(最高裁判所規則)
第39条  この法律に定めるもののほか、責任制限手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

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