第5章 損傷時における大量の油の排出を防止するための貨物艙等の技術上の基準(第17条―第20条)/海洋汚染防止設備等及び海洋汚染防止緊急措置手引書等に関する技術上の基準を定める省令


(昭和五十八年八月二十四日運輸省令第38号)

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最終改正:平成一五年九月一九日国土交通省令第93号


 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第136号)第5条第3項及び第4項、第5条の2並びに第54条の規定に基づき、海洋汚染防止設備等に関する技術上の基準を定める省令を次のように定める。


   第5章 損傷時における大量の油の排出を防止するための貨物艙等の技術上の基準

(貨物艙の構造及び配置の基準)
第17条  法第5条の2の国土交通省令で定める貨物艙の技術上の基準は、次のとおりとする。
 すべての貨物艙の大きさ及びこれらの配置は、次条の規定により算定した仮想流出量O及びOが限界流出量(三万立方メートル又は次の算式により算定した値(四万立方メートルを超える場合にあつては、四万立方メートル)のうちいずれか大きいものをいう。次号において同じ。)を超えないものであること。

    400D(1÷3)(立方メートル)

   Dは、載貨重量トン数
 船側外板又は船側内側外板に隣接する貨物艙(以下「船側貨物艙」という。)にあつては、当該貨物艙の容量が限界流出量の七十五パーセントを超えないものであること。ただし、分離バラストタンクの配置を考慮して地方運輸局長が差し支えないと認める場合は、この限りでない。
 船側貨物艙以外の貨物艙(以下「中央部貨物艙」という。)にあつては、当該貨物艙の容量が五万立方メートルを超えないものであること。
 貨物艙の縦方向の長さは、貨物艙の種類及び縦通隔壁(船側内側外板を除く。以下この号において同じ。)の配置に応じ次の表に掲げる算式により算定した値又は十メートルのうちいずれか大きいものを超えないこと。
船側貨物艙 二以上の縦通隔壁がある場合 0.2L
一の縦通隔壁がある場合 {0.25(bi÷B)+0.15}L
bi÷Bが五分の一以上であつて縦通隔壁がない場合 0.2L
bi÷Bが五分の一未満であつて縦通隔壁がない場合 {0.5(bi÷B)+0.1}L
中央部貨物艙 bi÷Bが五分の一以上の場合 0.2L
bi÷Bが五分の一未満であつて、中心線縦通隔壁がある場合 {0.25(bi÷B)+0.15}L
bi÷Bが五分の一未満であつて、中心線縦通隔壁がない場合 {0.5(bi÷B)+0.1}L
備考
 Lは、船の長さ(メートル)
 biは、満載喫水線規則第36条に規定する夏期満載喫水線(同令第66条に規定する海水満載喫水線を有するタンカーにあつては当該海水満載喫水線、夏期満載喫水線及び海水満載喫水線を有しないタンカーにあつては同令第3章第1節及び第2節の規定により算定した海水満載喫水線に相当する喫水線)の水平面において船側外板から船体中心線に直角に測つたそれぞれの区分に掲げる貨物艙までの距離の最小値(メートル)
 Bは、船の幅(満載喫水線規則第7条に規定する船の幅をいう。以下同じ。)(メートル)

 載貨重量トン数六百トン以上五千トン未満のタンカーの貨物艙は、次に掲げる基準に適合する位置に設けること。
 船側外板から直角に測つた距離がいずれの箇所においても次の算式により算定した値又は〇・七六メートルのうちいずれか大きいもの以上であること。ただし、すべての貨物艙の容積がそれぞれ七百立方メートルを超えないものについては、この限りでない。

     0.4+2.4(D÷20,000)(メートル)

   Dは、載貨重量トン数
 船底外板から直角に測つた距離がいずれの箇所においても船の幅の十五分の一の値又は〇・七六メートルのうちいずれか大きいもの以上であること。
 ビルジ部にあつては、船底外板の船体中心線に最も近い平坦な部分におけるモールデッド・ラインを延長して得られる線から直角に測つた距離がロの規定による値以上であること。
 載貨重量トン数五千トン以上のタンカーの貨物艙は、次に掲げる基準に適合する位置に設けること。
 船側外板から直角に測つた距離がいずれの箇所においても次の算式により算定した値(二メートルを超える場合にあつては、二メートル)又は一メートルのうちいずれか大きいもの以上であること。

     0.5+D÷20,000(メートル)

   Dは、載貨重量トン数
 船底外板から直角に測つた距離がいずれの箇所においても船の幅の十五分の一の値(二メートルを超える場合にあつては、二メートル)又は一メートルのうちいずれか大きいもの以上であること。ただし、次に掲げる基準に適合する貨物艙にあつては、この限りでない。
(一) 型基線からの垂直距離が、船の幅の六分の一の値(六メートルを超える場合にあつては、六メートル)以上船体中央部における満載喫水線規則第3条に規定する型深さの五分の三の値以下の位置で貨物艙が水平かつ油密に仕切られていること。
(二) 最下層の貨物艙における満載時の液面の高さの最大値が次の算式により算定した値以下であること。
(d×ρ×g−Δ)÷1.1ρc×g(メートル)
は、想定される貨物積載状態における最小喫水(メートル)
ρは、海水の密度(キログラム毎立方メートル)
gは、標準重力加速度(九・八一メートル毎秒毎秒)
Δは、貨物艙に設ける自動呼吸弁の最大設定圧力(パスカル)
ρは、貨物油の最大密度(キログラム毎立方メートル)
 ビルジ部にあつては、型基線からの垂直距離がロの規定の値の一・五倍の高さ(以下「基準高」という。)を超える部分についてはイの基準に適合し、それ以下の部分についてはロ(ただし書を除く。)の基準に適合するように配置すること。ただし、ロただし書の場合にあつては、基準高以下の部分については、基準高における船側内側外板の位置から垂直に船底外板まで配置することができる。
 前2号の規定による貨物艙の区域は、その船側部分及び船底部分(前号ロただし書の場合にあつては、船側部分)の全体にわたつて、分離バラストタンク又は貨物油及び燃料油を積載しない区画によつて防護されていること。
 載貨重量トン数五千トン以上のタンカーの貨物艙に設けるウェルは、できる限り小さいものであつて船底外板からウェル底面に直角に測つた距離が第6号ロの規定による値の二分の一以上であること。
 第19条第1号ロ若しくは同条第2号ハの範囲内又は二重底内を通る配管であつて貨物艙に開口を有するものを備えている貨物艙にあつては、当該配管が貫通する貨物艙の隔壁又は二重底内底板に弁その他の閉鎖装置を備えているものであること。
 前号の配管であつて二重底内を通るものを備えている貨物艙にあつては、当該配管をできる限り船底外板から離れた位置に備えているものであること。
十一  載貨重量トン数五千トン以上のタンカーの貨物艙に備える配管は、次に掲げる基準に適合するものであること。ただし、配管の長さ等を考慮して地方運輸局長が差し支えないと認める場合は、この限りでない。
 貨物艙に開口を有する配管は、分離バラストタンク内を通さないこと。
 貨物艙内を通る配管は、分離バラストタンクに開口を有さないこと。

(油の仮想流出量)
第18条  次条の船側損傷及び船底損傷による油の仮想流出量は、それぞれ次の算式により算定するものとする。

   O=ΣW+ΣK
=A(ΣZ+ΣZ
  Oは、船側損傷による油の仮想流出量(立方メートル)
は、船底損傷による油の仮想流出量(立方メートル)
は、損傷すると仮想される船側外板に隣接する貨物艙の容積(立方メートル)。ただし、Oの算定において同一の船側外板に隣接する二の貨物艙の間に空所等油を積載しない区画(lがlより小さいものであつて船側外板に隣接するものに限る。)がある場合は、当該二の貨物艙のうちいずれか小さいものの容積に次の算式により算定した値を乗じて得た値をWに代えて用いることができる。

    1−l÷l

   lは、空所等油を積載しない区画の縦方向の長さ(メートル)
は、想定される船側損傷の縦方向の範囲で次条第1号イに規定するもの(メートル)

  Kは、次の算式により算定した値。ただし、bがtより大きい場合は、零とする。

   1−b÷t

   bは、満載喫水線規則第36条に規定する夏期満載喫水線(同令第66条に規定する海水満載喫水線を有するタンカーにあつては当該海水満載喫水線、夏期満載喫水線及び海水満載喫水線を有しないタンカーにあつては同令第3章第1節及び第2節の規定により算定した海水満載喫水線に相当する喫水線)の水平面において船側外板から船体中心線に直角に測つた船側外板に隣接するタンクの幅の最小値(メートル)
は、想定される船側損傷の横方向の範囲で次条第1号ロに規定するもの(メートル)

  Cは、船側外板に隣接する貨物艙以外の貨物艙であつて損傷すると仮想されるものの容積(立方メートル)
Aは、三分の一(船側外板に隣接する貨物艙以外の貨物艙が四以上損傷すると仮想される場合にあつては、四分の一。ただし、貨物艙の損傷時における海洋の汚染の防止のための措置を考慮して地方運輸局長が差し支えないと認める場合は、それ以下の値とすることができる。)

  Zは、次の算式により算定した値。ただし、hがvより大きい場合は、零とする。

    1−(h÷v

   hは、船底外板の上面から二重底内底板の下面までの垂直距離の最小値(メートル)。ただし、二重底が損傷すると仮想される貨物艙の一部にのみ存在する場合は、零とする。
は、想定される船底損傷の垂直方向の範囲で次条第2号ハに規定するもの
 相互に連結している二以上の貨物艙は、前項の仮想流出量の算定において一の貨物艙とみなす。ただし、船舶の航行中連結が断たれている場合は、この限りでない。

(損傷範囲の想定)
第19条  想定する損傷の最小範囲は、次のとおりとする。
 船側損傷
 縦方向の範囲 次の算式により算定した値又は十四・五メートルのうちいずれか小さいもの

     (1÷3)L(2÷3)(メートル)

   Lは、船の長さ(メートル)
 横方向の範囲 船の幅の五分の一の値又は十一・五メートルのうちいずれか小さいもの
 垂直方向の範囲 型基線から上
 船底損傷
 縦方向の範囲 船首垂線から船の長さの十分の三までの部分については、船の長さの十分の一の値、その他の部分については、船の長さの十分の一の値又は五メートルのうちいずれか小さいもの
 横方向の範囲 船首垂線から船の長さの十分の三までの部分については、船の幅の六分の一の値又は十メートルのうちいずれか小さいもの、その他の部分については五メートル。ただし、船の幅が三十メートル未満の船舶にあつては、船舶のすべての部分について五メートル
 垂直方向の範囲 型基線から測つた場合において、船の幅の十五分の一の値又は六メートルのうちいずれか小さいもの

(分離バラストタンクの配置基準)
第20条  法第5条の2の国土交通省令で定める分離バラストタンクの技術上の基準は、当該分離バラストタンクを、その貨物艙の区域の船側部分及び船底部分(第17条第6号ロただし書の場合にあつては、船側部分)の全体の船体外板に隣接し、かつ、できる限り均等にするよう配置することとする。ただし、トリム等を考慮して地方運輸局長が差し支えないと認める場合は、この限りでない。

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